2026/02/21 07:30

いまオンラインでは、季節ごとに3冊ずつ、年間12冊をお届けするプランのみ。それは自分の在庫や力量の問題もあるが、誰かの暮らしのおともをしよう、という企みが一番の理由だった。そんな原点(?)を思い出しつつ、こんなことをしてみよう!といくつか考えたので、メモとしてここに残しておきたい。実現したらぜひ会いにきてください。
⚫︎5冊だけ本を並べて、その本が売れたら別の本をそこに置く。それぞれの本には、自分の言葉を短く添える。とはいえ、タイミングを逃した人みんなが二度と出会えないのは悲しいので、タイトルは示さずに言葉だけを書いた紙を綴っておいて、注文できるようにする。
⚫︎本を封筒に入れて、タイトルを見なくても買えるようにする。短い自分の言葉を見て、なんかいいかも と本を選んでもらう。本当は封筒をミシンで縫いつけるなどしたいけれど、確信をもって本を連れ帰るのも楽しいから、中身が見たい人は見られるようにしたい。
⚫︎誰かが読んで付箋をつけた本だけを並べる。できれば、付箋をつけた人が何者で、何を考えたのか、一言書いてもらう。付箋つきの本を読んだ人が付箋をつけた人に手紙を出せるのもいいかもしれない。
「遠くの島の小さな本屋さん」なのだからベストセラーを置かなくてもいいし、本の数も驚くほど少なくてもいいか、なんてぼんやり考え続けていたら、土曜の朝でした。
ここらで、今週の日記を。
◇◇◇
2026年2月14日(土)
数年間管理せずに箱に詰め込まれていた名刺やらカードやらを整理する。あぁこんな方と出会ったな、このときはあんなお店に行っていたのか、という思い出にまぎれて、2枚の入園券が入っていた。北川村モネの庭の入園券。2023年の夏、大学時代の友人と中国・四国を旅したときに、どうしても行きたい!と立ち寄ってもらったのだ。
なぜ入園券を、それも2枚、持っていたのかというと、あまりにもわくわくする言葉が書かれていたからだ。相当楽しそうだったのだろう、1枚は優しい友人が譲ってくれた。
「本半券でフランスのモネの庭に入園できます。※2027年の開園期間まで有効」
この日記をどう締めようか迷ったけど、とりあえず決意表明を。来年(たぶん)パリに行きます。一緒に行きましょう。
2026年2月15日(日)
東京出張1日目。久しぶりに会った仮称 田中さんが、「あまやどり」の小商いをやりたいと言っていた。「いいですね。水曜日にしてくださいね」と伝えて、この人は何を言っているんだ…という不思議そうな目を向けられる。いつもどおり正直な顔で安心した。田中さんは過去の日記にも「自分の内面をゆっくり理解しようとしていて、それでいて立ち止まっていないところがすごい」人として登場していた。
今回も田中さんの文を読ませてもらった。ちゃんと「きらい」の三文字があって安心する。「きらいって書いてるから好き」と伝えて、またしても「変ですね」と言われた。
(2024年11月17日(日)の日記から)
どうやらいつも変だと言われてしまっているらしいが、この正直さをもって大体のことを肯定してくれるから、いまの道を進むのがいいのだな、と毎回納得(?)させてくれてありがたい。ただ、やっぱり雨宿りは水曜日が似合うと思う。
2026年2月16日(月)
東京出張2日目。怒涛の1日であまり記憶がないが、急げば徒歩18分は12分でいけること、東京でも雨が降ること、電車はいつも満員なだけで思いのほか広いことなどを知った。向こう数ヶ月分の笑顔を前借りしちゃったな、と思いながらベッドに入る。
2026年2月17日(火)
東京出張最終日。飛行機で島に帰る。今日の機長はアナウンサーみたいな抑揚の人。温度のある声でいいなぁと思っていたら中国語の(たぶん)流暢なアナウンス。ふつうは日本語と英語だけなのにきっとサービス精神旺盛な方なのだろう、と驚きとともに勝手な評価をしていると、今度は韓国語が。こちらも(たぶん)流暢だった。
そういえば、しゅしゅしゅっと言いながら足早に荷物棚を確認するCAのお兄さん、そんな彼と笑顔を交わすお姉さんなど、今日の飛行機は微笑ましかった。隣には、ずっと何かを書いていているどこかの国のお兄さん。ちらっと覗き込んだら、ちょうど、At this event, と書いていたのもわくわくしてよかった。
2026年2月18日(水)
ついについに、数ヶ月書いては消して、を繰り返した仕事が終わった。がんばったなぁ、もうひとがんばりしてしまおう、と思って精米に向かう途中、車がパンクしていることに気づき、なんとか自宅まで帰ってくる。あまりにガタガタ音を立てる車に申し訳なくなりながら、「10マス戻る、そして1回休み」と唱える。休もうとするのが得意でよかった。
2026年2月19日(木)
一度でも都市部に住んだことのある人は、共感してやまないと思うが、コインランドリーから取り出した洗濯物にしか癒せない心がある。昨日「1回休み」と決めたので、シーツと毛布をもってコインランドリーに行く。はあ、休もうとするだけじゃなくて、実際に休むのも上手でよかった。
休むのが上手ですね、と言われたのはいつだったっけか。休むときはなるべく大袈裟に休むのがよい。またしても昔の日記をめくりながらそんなことを考えた。
最近、どうも調子が優れない。
明るいうちに銭湯に行き、コインランドリーに洗濯物をつっこみ、その隙にレコードのかかるお店でアイリッシュコーヒーを飲む。機嫌の取り方を知っていてよかった。
これでやる気スイッチも見つかれば完璧なのに。
(2024年12月7日(土)の日記)
当時住んでいた西荻窪には、ほかにも渋いお兄さんのバー(喫酒)、店中がインドの香りのカレー屋、時計の針の音が響く喫茶店、一輪だけお願いしても嫌な顔をされない花屋、いつもだれもいない公園などなど、機嫌がよくなる場所がたくさんあった。だれかの機嫌の取り方の選択肢になりたい、と思い始めたのはこのころだっただろうか。
2026年2月20日(金)
家に贈り物がたくさん届いた。贈り物をもらうと、自分のことを考えて選んでくれたんだなと思うから(今回は それを抱えて隠岐までたどり着いたんだな…というのも含めて)、嬉しくなってしまう。ものは、もらうのも好きだし、贈るのも好き。だれかが上機嫌になるものを選んで、それらをたくさん並べるお店をしよう。
日記を見返すと、感情が忙しい週だな、と思う。ただ、最後には機嫌がよさそうでなにより。
ともあれ、今週もすてきな日々になりますように。(2026.02.21)
[写真]
2025年12月26日。飛行機から見る雨粒
